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備中漆辣椒のピリ辛日記

漆をめぐる新見での日々

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8辺目 (現場1)  

P7232289.jpg

 えらく時間のかかる木です。この頑固な皮を削るだけでも苦労するのですが、溝を掻くにも硬く、うっかり溝が浅いと、漆も何も出てきてくれません。まるで、鎧のような樹皮です。
 その上、漆液もジワジワ・ダラダラと、生きてきた年に比例するがごとくゆっくりなのです。この老木、溝を掻いてから1時間は採取にかかります。周りに他の木があれば良いのですが、しょうがなくこの1本にかかりきりです。そのかわり、じっくりと観察して楽しむことにしています。
 
P7232290.jpg

 とはいえ、長時間この場に居ると、何10匹もの「蚊」にたかられて大変です。無数に刺されてきました。そこで、前回から「蚊取り線香」を携帯してみることにしました。
 これが、すごい効果を発揮しまして、蚊は寄ってこなくなります。しかし煙いです。


P7232301.jpg

 裏に壊れかかった小屋が付いているため、正面部分中心に「三腹掻き」です。生き道は裏に十分ありますので、思い切って、溝幅を伸ばしていっていたのですが、ちょっと問題になってきました。
 もう盛りに入りますので、このまま、幅は伸ばさないようにするにしても(※)、15辺目くらいまでで隣の溝にぶつかってしまいます。かといって、左に伸ばそうにも、昔の掻き傷による穴があり、溝をつけられません。
 教科書的にはありませんが、16辺目からは、少しずつ幅を狭くすることになりそうです。どんな漆になることやら、興味深いところです。

 (※)辺を前回より伸ばすと、水を吸い上げている導管を横切ることになり、採取される漆の水分量は増える傾向にあるそうです。したがって、初辺の時期まではどんどん幅を伸ばすので、水分の多い、乾きの速い漆となるわけです。

P7232300.jpg
 
 特に、「こうしなくてはならない!」という厳密なものではありませんが、盛りに至るまででの掻き溝の描く形が、「卵型」になるよう指導されていました。浄法寺では標準的な手法です。一方、現状は逆三角を描いていますが、これはこれで、備中漆掻きの基本的な掻き方といえます。
 あまりの強固な樹皮に降参して、「離しカンナ」で溝をつけたところもあり、勢いで溝の終わりがついつい延びてしまったのが原因かと思います。


P7232298.jpg

 これは明らかな失敗です。一番下のつ「鼓掻き」の上部、溝の間隔が狭すぎて、カンナがけと同時にアゼが壊れて、決壊してしまいました。前述の問題で、15辺までに、少し間隔を詰めて溝を掻けないかと意識しすぎての失敗です。漆もほとんど採取できませんでした。

P7232305.jpg

 今回は、現場1で 15ml、現場2で 24ml、合計 39mlの採取量でした。前日の見学者による体験のため、現場2で掻き口が4つ減ったこと、現場1で良く出る掻き口を損失したこと、これらがなければ45mlいっていたでしょうか。もったいない感じは残るものの、順調に採取量はのびています。

 今日はここまで。
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Posted on 2015/07/23 Thu. 22:22 [edit]

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