備中漆辣椒のピリ辛日記

漆をめぐる新見での日々

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8辺目 (現場1)  

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 えらく時間のかかる木です。この頑固な皮を削るだけでも苦労するのですが、溝を掻くにも硬く、うっかり溝が浅いと、漆も何も出てきてくれません。まるで、鎧のような樹皮です。
 その上、漆液もジワジワ・ダラダラと、生きてきた年に比例するがごとくゆっくりなのです。この老木、溝を掻いてから1時間は採取にかかります。周りに他の木があれば良いのですが、しょうがなくこの1本にかかりきりです。そのかわり、じっくりと観察して楽しむことにしています。
 
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 とはいえ、長時間この場に居ると、何10匹もの「蚊」にたかられて大変です。無数に刺されてきました。そこで、前回から「蚊取り線香」を携帯してみることにしました。
 これが、すごい効果を発揮しまして、蚊は寄ってこなくなります。しかし煙いです。


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 裏に壊れかかった小屋が付いているため、正面部分中心に「三腹掻き」です。生き道は裏に十分ありますので、思い切って、溝幅を伸ばしていっていたのですが、ちょっと問題になってきました。
 もう盛りに入りますので、このまま、幅は伸ばさないようにするにしても(※)、15辺目くらいまでで隣の溝にぶつかってしまいます。かといって、左に伸ばそうにも、昔の掻き傷による穴があり、溝をつけられません。
 教科書的にはありませんが、16辺目からは、少しずつ幅を狭くすることになりそうです。どんな漆になることやら、興味深いところです。

 (※)辺を前回より伸ばすと、水を吸い上げている導管を横切ることになり、採取される漆の水分量は増える傾向にあるそうです。したがって、初辺の時期まではどんどん幅を伸ばすので、水分の多い、乾きの速い漆となるわけです。

P7232300.jpg
 
 特に、「こうしなくてはならない!」という厳密なものではありませんが、盛りに至るまででの掻き溝の描く形が、「卵型」になるよう指導されていました。浄法寺では標準的な手法です。一方、現状は逆三角を描いていますが、これはこれで、備中漆掻きの基本的な掻き方といえます。
 あまりの強固な樹皮に降参して、「離しカンナ」で溝をつけたところもあり、勢いで溝の終わりがついつい延びてしまったのが原因かと思います。


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 これは明らかな失敗です。一番下のつ「鼓掻き」の上部、溝の間隔が狭すぎて、カンナがけと同時にアゼが壊れて、決壊してしまいました。前述の問題で、15辺までに、少し間隔を詰めて溝を掻けないかと意識しすぎての失敗です。漆もほとんど採取できませんでした。

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 今回は、現場1で 15ml、現場2で 24ml、合計 39mlの採取量でした。前日の見学者による体験のため、現場2で掻き口が4つ減ったこと、現場1で良く出る掻き口を損失したこと、これらがなければ45mlいっていたでしょうか。もったいない感じは残るものの、順調に採取量はのびています。

 今日はここまで。
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Posted on 2015/07/23 Thu. 22:22 [edit]

category: 漆掻き

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漆掻き 7辺目  

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  昨朝までに台風が通り過ぎていきました。水を盛大に吸い上げているであろう木を掻くとなると、さすがに心配になり、3時過ぎから作業を開始することとしました。因みに、小野氏に相談したところ、昼から2時あたりの時間帯は木が休んでいるらしく、午後は遅い時間から夕方あたりで良いそうです。この時期、日が長くなってきたので、だいぶ遅くまで作業できます。

 
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 「現場1」 (一度掻かれた、かなり古い大木1本)と、「現場2」(写真の現場で樹齢20年?以上の木3本)で作業しています。
 いずれも、私の家から100メートル以内の範囲です。こうした恵まれた環境に住むことになったのも、何かの導きかもしれません。

 現場1の方は前回、6ml という少なさで、心配していましたが、今日は滲み出るまでにゆっくりと待つ感じで作業しました。何本も木があれば効率が良いのですが、そうもいかないのが現状です。しかも老木だからなのか、昔掻かれたからなのか、私の腕が悪いのか、この木はゆっくりじんわり・・・という感触です。
 出てきた漆液は、いつもと様子が違います。非常にサラサラしていいて、透き通った感じ。色の変化がかなり遅く、採取すると、成分が層になって分離しました。前回の2倍以上、13ml 採取できました。

 写真の現場2のほうですが、前回までに溝幅を伸ばしすぎたかなと気になっていました。木が水を吸い上げるための、「生き道」が狭まってきています。今回は、溝幅は控えめにしてみました。アヤは溝の左右8分程残す感じです。
 現場2のほうも、様子が違い、薄い肌色の、透き通ったとても汁っぽい漆液が滲んできました。大雨の影響だけでしょうか?それとも、盛りの時期に入ったのかもしれません。次回との比較が楽しみです。こちらも2倍近く、前回12mlに対し、今回は23ml 採取できました。 

 合計36ml。初辺は量が少ないので、ブレンドしてしまいます。

 今日はここまで。


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  現場2出口の棚田、今年から復活させたそうですが、順調に育っています。谷からの風がすがすがしいです。

Posted on 2015/07/18 Sat. 22:19 [edit]

category: 漆掻き

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漆掻き 6辺目  

 
 湿ったアスファルト、深夜から早朝にかけて雨が降ったようです。
 水分の少ない漆を目指すため、午後の遅い時間帯に掻き始めることにしました。


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 先ずは、皮取り作業から(カマズリ)。
 漆掻き作業の大半はこのカマズリと言われています。私は初心者なので一本やるのにも5分以上かかってしまいます。本数が少ないから助かっているようなものの、昔の人のように100本単位で作業するなら、一本につき1、2分というところでしょう。1つの掻き口に10秒もかけられないということです。
 
 写真を撮っている場合じゃありません。(苦笑)


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 掻き溝を切っていきます。
 前回までの溝から漆が垂れた跡があります。左下がりだったようです。水平に近くなるようちょっと修正しました。所謂、「油漆」と言われるように、備中の漆はサラサラとしていて、あまり傾けてしまうと、どんどん流れていってしまいます。
 溝の長さはちょっと長かったかもしれません。木への負担が心配されるところです。


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 掻きカンナの使い方です。まだ下手です。
 小野氏から特に指導されているのは、この「送りカンナ」と言われる使い方です。木に指を添え、徐々に送るように溝を切っていく方法です。この他、「離しカンナ」という方法もあるのですが、そちらは木には一切触れず、カンナだけを握り、体で引いていく方法です。
 送りカンナのほうが、高い場所など足場を組んでの作業では安全とのこと。離しカンナでは、反動で転落する可能性があるからだそうです。


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 カンナをひっくり返し、反対側の「アヤ(目指し)」という刃の部分で、溝のさらなる奥に線を切っていきます。どちらかと言うと、溝の真ん中ではなくて、ちょっと上側にアヤを切っていきます。雨が降ったときに、溝が腐りにくくするためです。木への余計な負担を軽減出来ます。
 今回は溝の長さの4分の3くらいの長さで。


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 一番根に近い部分は、掻き溝を上下二箇所につけていく、通称、「鼓掻き」という手法をとります。
 

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 アヤを切った瞬間からサーっと漆が湧き出します。癖かな、左下がりになった溝端から滴ってきます。
 早く採らないと。


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 私は特にこの現場が好きです。谷から爽やかな風が吹いてきて、蚊も見かけないですし、樹皮の状態もいいのか、ゴミの混入も少ないです。


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 前回あたりから、ヘラで掻き採るのが難しくなりました。粘度が低く、ヘラを通しても、溝からこぼれていってしまうのです。あっという間に決壊し、散っていってしまいます。西日本の特徴だそうです。
 工夫しなければなりません。


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 木の本数が少なく少量なので、試験管にペットボトルを刺し、そこに採取していきます。
 今回、飛躍的に採取量が増え、この現場の3本で12ml採れました。前回の2倍です。喜んでいいのやら、初めてのことなのでわかりませんが、この先、木がバテないかちょっと心配です。

 他の現場と合わせて18ml。
 
 今日はここまで。

Posted on 2015/07/14 Tue. 22:54 [edit]

category: 漆掻き

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